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K.Itsukashi / Tender Tone

Production Notes
"TENDER TONE" PRODUCTION NOTES #3


ギター
 今回使ったのは2本。1本はもう12年くらい使っているフェルナンデス社製のギター。トラ目のイエローサンバーストで、フロイドローズ仕様。PUは元々アクティブカヴァードのがSH構成で登載されてましたが、現在はフロントPUがダブルレールタイプのシングルサイズハムバッキング(ディマジオだったはずだが型番忘れた)、リアがディマジオの割とハイゲインな奴(こっちも型番忘れた)に換装してあります。このギターが作られたのは、まだ日本のギターメーカもフェンダーなんかのレプリカモデルをカタログに載せてる頃で、値段の割にそこそこいい木を使ってます。確か買ったときは8万くらいだった記憶がありますが、マホガニー使っててトラ目も出てますし。ボディがちょっと重いですが :-)。「SKY BLUE SKY HIGH」「TAW」「BRAVE NEW WORLD」等で使っています。
 もう1本は、ヤマハのPACIFICA。型番は忘れました ^^;。PU構成はSSH、ウィルキンソンのトレモロ仕様(といってもトレモロはあんまり使いませんが)。今回のアルバム制作中入手したもので、「MOMENT OF REFLECTION」 「POST MERIDIUM」「VEL.」等で使ってます。こいつはボディが軽い。アルダーかなんかだと思いますが、とりあえず肩からさげて弾くには楽ちんですね。その分音が少し軽い感じですが、PUがどちらかというとカラッと乾いた感じなのでうまくマッチしてると思います。日頃は先のフェルナンデスのほかにレスポールを弾いてますが、シングルPU系ギターは初めてなので新鮮でした。
 どちらも「ローズ指板」「パッシブPU」「太めのネック」といった感じで、このへんに私の好きなギター像が出てるんじゃないでしょうか。

シンセ
● EMU VintageKeys
 昔のキーボード、シンセ系の音がつまった音源。波形の数が結構充実しているので重宝してます。ただしプリセットヴォイスは超ダサいの多いですが ^^;。エレピやオルガン系、パッド、ストリングス系に多用してます。
● KAWAI K4r
 KAWAIというちょっとマイナーな会社のさらにマイナーな音源ですね。ちょうどデジタル音源にアナログっぽいフィルタが登載され始めたころの製品で、デジタルらしい粗いレゾナンスとかついてます。KAWAIのサウンドは感動的なまでに粗くてザラザラ、これを個性といっていいのかどうか……^^;。「SKY BLUE SKY HIGH」のシーケンス等で使ってます。
● NOVATION BassStation
 アナログモノシンセ音源です。ジャケット写真にも写ってます。名前の通り、元はベース用音源で、ローランドのAcidBoxもどきとして売られていたのは有名ですね :-)。今回一番多用したシンセの一つで、フィルタでミョンミョン聞こえる音はだいたいこれです。アシッドボックスというよりはMINI MOOGみたいな感じ。
● ROLAND MKS-7
 その昔「スーパーカルテット」という名前で売られていた音源。しょぼい外観は世を忍ぶ仮の姿、その実はJUNO106もどき音源×3+TR707もどきという、ちょっと便利な構成。ベースとかシーケンスで活躍。
● CASIO VZ-8M
 デジタル全盛期の頃の音源。音はもろFMにそっくり。というかFMそのものっすね。音源方式もそっくりだし :-)。デジタルくさい音がかえって新鮮、レスポンスも速いのでお気に入りですが、いかんせんパラメータが多すぎる ^^;。音色エディットのやる気をなくさせる度No.1です :-)。
● ENSONIQ EPSm
 昔のサンプラ。メモリが2MBなのが辛い。D/Aは13ビット相当で、サンプリングすると必ず音が変わる、面白い奴。最近のAKAIとかに比べると非力ですが、こいつでしか出ない音もあり、いまだ現役。本アルバムではリズム系、ブラス系で多用。

シーケンサ
 Windows95で Cubase VST for Windows Version3.55 を使ってます。ここ最近のバージョンは比較的安定して動きますね。昔はよくハングアップしてくれたものです :-)。
 オーディオの入出力はEVENT社製のGINAを使ってます。デジタル入出力もついてますし、割とコストパフォーマンスいいですね。アナログ入力2CH出力8CHがついていて8万円くらい。これとVSTの組み合わせはなかなか良いです。「BRAVE NEW WORLD」では全ての音をVST上でミックスしています。
ハードディスク・レコーダ
 アウトボードとしては、AKAIのDR4dを使っています。4CH仕様は今となっては古いですが、音の素直さはさすがAKAIといった感じです。「MOMENT OF REFLECTION」のヴォーカル録音で大活躍でした。
 曲のミックスダウンはすべてWindowsのCoolEditProというHDRソフトを使用しています。これもGINAとの組み合わせが非常に便利です。
エフェクタ
 メインはZOOM製の9010です。こいつは独立4CHエフェクタとして使用可能で、ディレイマシンとして大活躍です。リバーブ系はLexiconのLXP-1がメイン。ギターは同じくZOOMの8080がメインで活躍。ディストーションの種類が多くて重宝します。あとはペダルが少し。


98.9
Keiji Itsukashi

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